アメリカひとり旅日記3

9月14日(金)  ラパス  晴れ

 

 夜から泊っているメヒカーナ集団がうるさくて目が覚めた。朝からラジカセをガンガンにかけてみんなで唄ってやがる。今日は夜10時に出発予定のフェリーに乗ってロスモチスに向かうまで、することが何もない。だからチェックアウトのぎりぎりまで寝ていたかったのに・・・。11時半にチェックアウト。荷物は宿のフロントで預かってもらうことにした。で、ぶらりと街に出た。とりあえずタコス。なんだかこの味にハマってしまってる。たぶん、これから毎日食っても飽きないだろう。昨日食った辛いタコスのせいで今朝はケツが痛かった。

 

 の前とは違うインターネットカフェに行ってみた。メールチェック。新しいメールが届いていた。ニューヨークのテロ事件で俺の安否を気づかってくれるメールが多かった。事件のこともネットで調べてみた。まるで戦争だ。カフェを出てアイスクリームを食った。それからビーチを2〜3時間ぶらついた。今日は気持ちよく晴れていて海がやたら青かった。浜辺で休んでは歩きながら東の端まで歩き続けた。ペリカンとカモメがやたらいる。しばらく誰もいないビーチでブランコに座りタバコを吸っていた。こんな暑い日に外にいる人は少ない。ダイビングをしない旅人にとって、ラパスは海を見る以外にすることがない。

 

 ろそろ戻ろうと思い歩道に上がった。向こうからフィンを抱えたダイビングをしてきたと思われる女の子が歩いてくる。「写真をとって下さい。」と英語でその女の子が俺に頼んできた。俺も英語で受け答えしていた。で、最後に英語でどこから来たのかを聞いてみた。「ジャパン」。またしても日本人とずっと英語で会話をしていたのであった。その女の子の情報によると飛行機は今のところ全く飛んでいないらしい。ロスアンジェルスの空港は厳しい荷物チェックをしてるらしい。まぁ、俺は飛行機は使わないからかんけいないけどね。

 

 宿に戻ってトイレを使わせてもらおうとしたが、セニョリータに断わられてしまった。チェックアウトしてしまうとトイレを失うなうのが辛い。この街には公衆トイレはないのであった。しばらく宿の中庭で時間をつぶしてからビーチ沿いにあるバスターミナルに向かった。そこで3ペソ払ってやっとトイレが使えた。ここは金を取るだけあってきれいだった。なぜか入口の外には便器が3個放置されてたけど。

 

 ポロバンポ港行きのバスに乗った。荷物があったのでもたもたしていたら一番後ろの席になってしまった。俺の席のまわりは地元の荒くれ男たちが固めている。バスの中でビールは飲むしタバコは吸うわで、俺は場違いな席にいる気がしていた。俺の隣に座っているがたいのいい男が俺に話しかけてきた。(この人は日本での俺の知り合いにどこか似ている。)その男は英語が話せる。ビールを俺に薦めたが、これから乗るフェリーでの船酔いが心配だったので断わった。その男はいろんなことを英語で話してくれた。なんとこれから俺が乗るフェリーの機関士をやってる人だった。まわりに乗っているヤバそうな人達もみんなフェリーで働いてる人達だったのだ。話をしてみるとみんないい人達だった。でも、仕事の前にバスの中で一杯かよ。フェリー乗り場に着いてバスを降りてもまだ少し話をしていた。時間になると彼らは楽し気に仕事をしにフェリーに向かって行った。なんだか彼らが動かすフェリーなら安心して乗れるような気がした。

 

 8時半、乗船開始。サルーン席には3列シートが並んでいる。出航前には夕食のサービスがあった。10時の出航までサルーン席の上にあるデッキで座っていた。夜風が気持ちいい。天の川も見えた。やがてフェリーは動き出した。ゆっくり港の中を進んで行く。ラパスの街の灯がゆっくり遠のいて行く。荷物が心配になってサルーンに戻った。フェリーは思ったよりもゆれなかった。誰も座っていない3つの席を占領して横になり眠りについた。


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