アメリカひとり旅日記3

9月13日(木)  ラパス〜カボサンル−カス 晴れ後曇り後スコール

 

 朝は早めに起きて行動。まずは街はずれの旅行代理店に明日乗るフェリーのチケットを買いに行った。早かったせいか他に誰も客はいなかった。適当なスペイン語で「ウノ トポロバンポ マニャーナ(トポロバンポまで明日のチケット1枚)」と言ってみたら通じた。発券してもらったら360ペソ。「地球の歩き方」にはサルーン席で200ペソとある。確認してみたら俺が買ったのは、やっぱりサルーンのようだった。フェリーぐらいリッチにベッドのある個室にしようかと思っていたが、明日は一晩中、リクライニングしないシートに座ったまま寝なければならないみたいだ。他の物価も比べてみるとメキシコは去年よりも20%ぐらい上がっているようだ。

 

 の後、きのう書いた絵葉書を日本に出す為に郵便局を探した。地図に乗っている辺りを探したが見つからなかった。その辺をぐるぐる回ってると、旅行代理店か民家か分らない建物からセニョリータが出て来たので、郵便局がどこか尋ねてみたらすぐそこだった。何度もそこの前を通ったのに気がつかなかった。マジックミラー張りの入口で中が見えないし、郵便局の表示もわかりずらい。これじゃ気づくわけがない。まっ、絵葉書は無事に出せたからいいか?

 

 もって、今日のメインイベントのカボサンルーカスに行くことにした。昨日、バス乗り場をチェックしておいたので、そこに行ってチケットを買った。100ペソ。ここラパスからは200キロ以上も離れてるらしい。10:40amのバスを待ったが、なかなか来ない。やっと来たバスのドライバーにカボサンルーカス行きのバスか聞いたら、「NO」。だが、チケット売場のおばちゃんんは、「そのバスに乗れ」と言う。普通の市バスだったので不安だった。降ろされた場所は一昨日、俺がティファナから24時間かけて到着したバスターミナルだった。そこでカボサンルーカス行きの長距離バスに乗り換えた。途中はサボテンと岩だらけの砂漠地帯だった。野生の牛や馬が国道沿いまで出て来ている。死んだ牛が何頭も転がっていた。そこにハゲタカが群がっていたりする。さらに驚いたのは、こんなに交通量がある国道なのに信号のある横断歩道がなかったことだ。横断歩道が近くなると人工的に段差が作ってあって、強制的にスピードを落とさせるようになっている。歩行者がいなくても・・・。

 

 んなこんなで眠りこけながら2時間半でカボサンルーカスに到着。が、なんか変だ。想像していたのとは違う。リゾート地のはずなのだが・・・。もっと都会かと思っていた。ここが本当にカボサンルーカスなのかどうか、不安だったのでバスターミナルの人達に聞いてみた。やっぱりそうらしい。「地球の歩き方」のダウンタウンマップを見せて自分が今どこにいるのかを聞いてみたが、分らなかった。このまま歩き出してしまったら再びここに戻ってくる自信がなかった。でも、ここにいても何も始まらない。今回は方位磁石を持って来てるから大丈夫。そう思いながら歩き始めた。しかし、歩き初めてしばらくすると鋪装されていない土だらけの道になった。しかもさっきのスコールでかなりぬかるんでる。海じゃなくて山の方に行っている気がする。だんだん不安になってきた。さっき降りたターミナルは地図の外にあるらしかった。「地球の歩き方」の地図にはバスターミナルが載っていたが、そこではないらしい。さらに20分ぐらい歩くとリゾートっぽくなってきた。

 

 ボサンルーカスの町並は、まさにアメリカ人の為のリゾート地って感じだった。俺はグラスボートに乗ってエル・アルコと言うアーチ型の岩を見に行きたかった。コルテス海と大平洋の境目も見たかった。とりあえずは昼飯ってことでタコスの屋台を探したが、ここにはなかった。メキシコにまで来てバーガーキングに入ってしまった。ここはアメリカドルもペソも使える。でかいワッパーダブルをたいらげてグラスボート乗り場に向かった。ここからはかなりの距離だ。そこまでの道のりは、人なんて誰も歩いていなかった。オンボロの市バスだけが通り過ぎて行った。なんとなく船乗り場らしき所が見えたので、その桟橋に行ってみた。でも、よくわからない。店もみんな営業していない。屋台のチケット売場がポツンとあったので、そこのオヤジに「チケット1枚」と言ったら、「今日はやっていない、明日だ。」と言われてしまった。

 

 はいったいここまで何をしに来たのだろう?そう思いながらバスターミナルへの道を引き返した。途中スコールがあってびしょ濡れになりながら歩き続けた。ターミナルまでの道は泥だらけ。まわりには貧しい民家が並んでる。ニワトリの鳴き声が聞こえる。野犬に吠えられた。なんだかリゾート地の舞台裏を見せられたような気がした。金持ちのアメリカ人のリゾート客はけしてこんな場所には来ないだろう。

 

 りのバスはスコールで濡れた体にはかなり寒かった。バスは再びラパスのセントロから2キロ離れたターミナルに到着。でも、俺は市バスに乗らずに歩くことにした。方位磁石を使いながら。歩けばいろんな物が見れる。一般の観光客が見れない物が。夕飯は海沿いの屋台でタコス2つと酸っぱいコーク。これで24ペソ(¥270)はやっぱり安い。


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