アメリカひとり旅日記2

4月30日(日)  サンアントニオ 曇り時々晴れ

 8時起床。今朝は16個あるベッドがほとんどうまっている。隣のスイス人はもう出かけたみたいだ。まだみんな寝ているので、トイレやシャワーに行くのにもかなり気を使う。特に16人の大部屋ではなおさらだ。右隣のベッドはいつの間にか2段とも誰か寝ている。後で挨拶でもしておこう。

 身じたくを済ませてコインランドリーに向かった。ここから歩いて20分もある距離だ。基地の中の道路を通って行く。基地で働いている人達の住宅地が広がっている。コインランドリーはガソリンスタンドとコンビニに併設されていた。かなり大きなランドリーだ。アメリカでのコインランドリーは初体験だ。一般のアメリカ人と同じように洗濯をしてみる。50セントを入れて、まずは洗濯機へ。30分ぐらいで終った。そして75セントで乾燥機へ。これも30分ぐらい。その間に隣のコンビニでサンドイッチV8(野菜ジュース)を買って朝食にした。洗濯が終って再びユースまで20分ぐらい歩いた。

 部屋に戻ると夜働いているエドが寝ていた。他のみんなは外出したようだ。俺も部屋を出てダウンタウンにバスで行くことにした。バス停で待っていると、同じ部屋の全身タトゥーじいさんがやって来た。このじいさん、ラングラーのジーンズウエスタンシャツウエスタンブーツテンガロンハットそしてをついている。これが俺の生き方だ、みたいな感じで、なかなかかっこいい。「昨日はパレードを見たかい?」と話しかけてきた。タトゥーじいさんの手首には「全米タトゥー協会」のテープが巻かれていた。

 ダウンタウンに着いて、昨夜デビッドに教えてもらったTHE TOWER OF AMERICAに行ってみた。たぶんサンアントニオで一番高い建物だろう。展望台に登ってみると街の全てが見渡せた。それにしても以上に風が強い。古臭い自動販売機でカップのコーヒーを買い、しばらく飲みながらボーっとしていた。タワーから降りて公園のベンチでタバコを吸っていたら、急に日本での日々の生活が懐かしくなった。このままアメリカにずっと居たいような気もするし、日本に帰りたい気もする。でも、帰ってしまえば現実に戻ってしまう。俺にとってアメリカの旅は現実逃避の夢の中にいるだけなのか?4301.jpg

 その後は、タワーの近くの「テキサス人文化会館」に行ってみた。ここではテキサス州に移民してきたさまざまな国の人達の展示がブースごとに別れている。奴隷時代の黒人の家の実物も展示してあり、実際に入って見ることもできた。日本のブースもあったが他のに比べて一番小さかった。1902年に米を作るため日本からテキサスに移民してきた家族。どんな思いだったのだろうか?

 リバーウォークチャイニーズレストランでランチにした。ここは土地柄かメキシカンレストランには人がたくさん入ってるが、チャイニーズは皆無だった。メシの後に行くあてもなく歩いていると、いつの間にかマーケットスクエアに来てしまった。ここはメキシコ系の人達しかいない街だ。フィエスタだったので、とんでもない人ごみになっていた。街全体がカーニバル状態。でも、ほとんど観光客は見当たらない。メキシカン音楽のバンドがステージで演奏をしていたり、特設の遊園地が出現していてジェットコースターやいろいろな乗り物が動いている。とんでもなく陽気な所だ。

 4302.jpgとりあえず絵ハガキでも買おう、とアラモまで戻りかけた時にCDショップを発見。すごく小さな店だ。エルパソの街で流れていたスペイン語の音楽が懐かしくなって音楽を日本に持ち帰りたくなったのだ。閉店間際に突然入ってきた俺に店のオバチャンは警戒したらしく「Can I help you?」を連発した。オバチャンに「スペイン語のCDで今人気があるのはどれ?」と聞いたら色々と説明してくれた。2枚選んでもらって買った。

 アラモの砦の前のベンチに座って日本に絵ハガキを書いていると、ユースの同じ部屋に泊まっているチャリンコじいさんが登場。しかし、このじいさんには色々な場所でよく会う。しばらく話した後、別々にユースに戻った。もちろん俺は市バスで。

 ユースの中庭でコンビニで買ったサンドイッチを食べてると、いつものがやって来たのでいたずらして遊んでいた。今日は中庭で夕飯にしてる人が多い。白人の女の子も本を読みながらオートミールを食べていたが、俺が猫をかまい過ぎているのを見かねてたのか、女の子は部屋からソーセージを持ってきて猫にあげてた。チャリンコじいさんの夕飯はRITSクラッカーだけだ。

 部屋に戻ってみるとメキシコ人のエドが帰ってきていた。彼は旅行中に金を盗まれて国に帰れなくなったので夜中に働いていたのであった。あと2〜3週間も働けばなんとか帰れるらしい。エドの隣のベッドのタトゥーじいさんも帰ってきて話に加わった。じいさんは、ダウンタウンのタトゥーのコンベンション会場でボランティアをしている、と言っていた。その自慢の全身タトゥーを見せてもらった。すごすぎる!その話の輪にオーストラリアから来たピートも加わっていた。じいさんは調子に乗ってタトゥー雑誌をみんなに見せ始めた。

 花火の音がしたので外に出てみた。ユースの近くの基地でフィエスタの花火大会をやっているらしかった。バス通りまで出て行くと花火が見えた。アメリカに来て花火が見れるとは思っても見なかった。サンアントニオの蒸し暑さと重なって、日本の夏を一足先に堪能してしまったような気がした。


   前の日へ   掲示板  次の日へ

日記の目次へ

HOME