アメリカひとり旅日記2

4月25日(火)  フォートワース 晴れ

 グレイハウンドバスは10:00am前にフォートワースのディーポに到着。降りたのは俺と2、3人だけだ。みんなそのままダラスへ向かうのだ。バッグを受け取ろうと思いバスの側にいたが、俺のバッグを降ろす気配がない。係員の黒人のニィチャンにクレームタグを見せても「ない」の一点張りだ。「カウンターで聞け」と言うのでカウンターの係員に捜してもらったがない。

 俺はバスに荷物が積まれる場所にいた。ないはすがないのだ。しかし、確かめる間もなくバスは走り去ってしまった。カウンターの太ったニイチャンにしつこく言っても、コイツの英語は何を言っているのか良く分らない。人のバッグを無くしておいて面倒臭そうな態度してやがる。とりあえず「夕方にまたバスが来るから、その時にでも電話しろ」と言われた。俺は電話じゃまたトラブると思い、またディーポに来ることにした。バッグが無くなる話は聞いていたが、まさか俺の身に降り掛かるとは・・・。4251.jpg

 とりあえず今夜の宿の確保、ってことで、観光案内所へ行ってみた。係の白人のオバチャンは親切で、あっけなく安い宿を見つけてくれた。しかも予約まで入れてくれた。ストックヤードにある「TEXAS HOTEL」だ。1泊$49。ダウンタウンから市バスに乗ってストックヤードへ。ここは昔の家畜取引所西部劇の町並がそのまま残っている。ホテルにチェックイン。部屋は小さいがきれいだ。少し休んでから街をぶらついてみた。確かにレンガ造りや荒削りな木の建物が多い。町外れのタランチュラトレインが出ている駅で昼飯にした。メキシカンのバッフェだ。しかし、グレイハウンドバスに一晩乗っていた疲れで食欲がなかった。

 4252.jpgその後も街をぶらついた。馬に乗った警官もいる。牛を連れたオヤジが「牛と一緒に写真を撮ってやる」と言うので撮ってもらった。すると「チップをよこせ」と言うではないか。このオヤジはこれを仕事にしているらしい。日本人の感覚としてはこんなことでチップを払うのはアホらしい。しかもこのオヤジ頼みもしないのに2枚も撮りやがった。ストックヤードミュージアムにも行ってみた。ここには昔のテキサスの生活用品とか写真が展示してあったが、これと言った見どころはない。

 再び部屋に戻って少し寝た。6:00pm頃に起きてダウンタウンのグレイハウンドのディーポへ市バスで行った。カウンターに行くと、俺のバッグがあった。よかった。大事な旅の記録が入っていたので盗まれていたら、と思うとゾッとする。帰りの市バスを待っていると白人の中年の女性が話し掛けてきた。「横浜から来た」と言うと、彼女は「厚木基地には昔よく行ったよ」と言っていた。

 旅はあと半分残っている。これからはどんな旅にしよう?予定通りに進めば何の問題もない。が、エルパソで出会った旅仲間達を見ていると自分の旅のスタイルってなんなんだろう?って考える。ひとりで観光地をただまわる旅って、果たして本当に旅と言えるのだろうか?自分で決めてきた予定とは言え、その通りに進むことだけが本当の旅だろうか?少しでも旅先で人と触れ合うのが旅ってもんじゃないか?


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