アメリカひとり旅日記2

4月17日(月)  サンタフェ 晴れ

 モーテルの斜め向いのマクドナルドで朝食。その後、観光案内所へ行ってみた。係員にダウンタウンの地図をたのんだら、見どころも親切に説明してくれた。今日は月曜日でミュージアム関係は閉館しているらしい。観光案内所でサンタフェ鉄道のパンフレットも手に入れた。昨日からモーテルの部屋で汽笛が鳴るのが気になっていた。パンフレットには汽車に乗るのには予約が必要と書いてある。とりあえずアンティークな汽車を見るだけでもいいか、と思い駅まで行ってみた。泊まってるモーテルの方向だった。ディーゼル機関車が鉄道全盛時代の雰囲気を醸し出していていい感じだ。駅のドアに貼ってあったスケジュール表には月曜日は1:00pm出発と書いてある。1日1本しか出ていないらしい。まだ2時間もあるのでダウンタウンに戻ってブラつくことにした。4171.jpg

 郵便局に行って絵ハガキ用に切手を買った。昼飯は、昨日プラザ広場近くで見つけた「FIVE DIME」というスーパーの奥でハンバーガーを買って食べた。この店はサンタフェでは貴重だ。なにせ周りはおみやげ屋ばっかで、日用品を買える場所がないのだ。このスーパーのおかげで夕食にマズいカップヌードルが食えるってもんだ。

 サンタフェ鉄道の発車時間が迫ったので、駅のチケット売場まで急いだ。そこで今日の列車に乗れるかを尋ねたら、O.Kだった。エアコンの効いた車両は$35、普通のは$30だ。俺は$30の方にした。なぜならこっちの方は木製のアンティーク車両だったから。列車の中で聞いた説明によると1920年代に実際にどこかの街で走っていた車両らしい。列車に乗り込むと中年の夫婦がビデオを撮っていた。日本語で話をしていた。目が合ったので挨拶をしたら色々質問された。「どこから来たの?」「日本ではあなたの様な旅をする人が多いの?」等々。カリフォルニアに住んでいる日本人夫婦だったのだ。1週間もサンタフェに滞在するらしい。

 列車は走り出すと昨日Trevorと出会ったあたりの道路を横切って進んだ。踏み切りで止まっている車からは大人が手を振っている。これも日本にはない光景だ。しかし、この列車はこれからどこに行くのだろう?俺は何も知らないままに乗っていた。街中を抜けると、ほとんど風景が変わらなくなった。荒れた土地に低い針葉樹らしき木がポツリまたポツリとあるだけ。時折、枯れた木が横たわっているが、それが不思議な色をしている。枝がシルバーグレーなのだ。他の若い木もよく見ると葉っぱの間から見える枝はシルバーグレーに鈍く輝いている。まわりに生えている草もシルバーグレー。不思議だ。途中、貨物列車を連結する為に10分ぐらい停車した。窓の外では作業員が歩いている。足下からは歩くたびに乾いた赤土の砂煙りが上がる。

 4172.jpg列車は再び変わらない風景の中を1時間以上走り小さな駅に着いた。LAMY駅。タイミングよくアムトラックがやって来た。でも、こんな駅で降りてどうするんだろう?何もない所だ。草原の中に民家がポツンと何軒かあるだけ。45分の休憩の後、列車は再びサンタフェ駅に向けて出発するらしい。さっきの日本人夫婦に同じテーブルでランチでも、と誘われたが、俺は食べて来ていたのでひとりで辺りをブラつくことにした。駅の近くには3人のゴーストが住むという閉鎖されたゴールドラッシュ時代の酒場があった。時間になったので再び列車に乗りサンタフェに戻って来た。この鉄道は本来は貨物用の路線で片手間に観光用の列車を走らせている様だった。

 ダウンタウンに着いたのは5:00pm。ほとんどの場所が閉まっている。「アメリカ最古の家」に行ってみた。本当に狭い1部屋しかない。中は薄暗くてよく分らなかった。しかし、壁が本物の日干しレンガでできているのは確認できた。サンタフェの建物はADOBE(日干しレンガ)でできている、と言われているが、俺が触ってみた限りではコンクリートでそれっぽく作ってあるだけのが多いように思えた。でも、赤土色と窓枠ののターコイズブルーのコントラストは美しい。


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