市場のニーズの要請に応じて構築される現代の(ソフト&ハード)システムは、そのニーズに対応して時間と予算のシビィアな制約を受けながら、高度な品質・性能の実現を課されています。
そこで、より効率的/効果的にシステムを構築すべく登場した開発スタイルが、いわゆる「プロジェクト」なのです。この組織には、種々のスペシャリスト(システム・アナリスト、SE、PG、ハード技術者、etc.)が参画し、効率的/効果的な開発を推進します。
しかし、ちょうどオーケストラの指揮者のような役割を果す存在がなければ、効率的/効果的どころか、単なる予算つぷしに終わってしまいます。現に、これまで大なり小なり失敗したシステム・プロジェクトは山のように存在したと言われています。
このオーケストラの指揮者の役割を「プロジェクト」で遂行するのが「プロジェクト・リーダー(PL)」と呼ばれる存在です。この人材の手腕のよしあしが、プロジェクトの成果(品質!/スケジュール!/予算!)を決定してしまう訳なのです。
ところで、現在の時代環境は、やや、PLが育ちにくい要素を含みがちなのかもしれません。技術要素は急激な速度で拡散し、その追跡と消化も楽ではなくなっています。また、若い技術者の気質も、個別分野志向とあわせて、全体に対する「距離置き(?)」志向が見受けられます。さらに、身近に手本となる存在が乏しい現実もさびしい限りです。
ただし、「プロジェクト・リーダー」は、システム・プロフェッショナルを目指す者にとって夢のトップ課題だと言えるはずです。緻密な計算/予測と、強固な実現意志を試すための宝庫であり、その達成感は比類無きものだからです。また、多分今後はその報酬面でも、米国にキャッチアップするに違いないでしょう。
このセルフチェックは、ソフトウェア開発経験3年以上の技術者で、PL候補生クラスの方々向けを想定しています。今後、本格的にPLを目指した学習と経験を重ねる上で、ここからいくつかの指針を得、より早期にPLの必要条件に気づくことで、ゆとりある助走距離を大いに生かしていただければ幸いだと考えています。
★このホームページ公開 Version は、サンプル版であるため内容・解説などの一部分をシールドさせていただいております。あしからずご了承ください。