アメリカひとり旅日記3

10月3日(水)  サンタモニカ(L.A)  晴れ

 

 よいよ今日で、この旅も実質的には終わりだ。今朝も寝坊気味に起きた。もう、9時10分なのに俺の部屋では3人もまだ寝ている。昨夜は、みんな俺よりも先に寝てるのに。どうなってんだ?いつものように身支度を整えると、今朝もユースの朝食を買って済ませた。今日は昨日より高い。日によって朝食の値段が違うのはなぜだ?まあ、今日で最後だから、どうでもいいけど。同室の日本人と今日初めて話をした。ここのユースはなんだか他の人に話しかけにくい。

 

 りあえずユースを出て図書館へ。11時に行ったら、12時から1時までのインターネットの予約ができた。時間があったのでユースに戻り、明日の帰国に向けて荷物の整理をした。部屋に入ると今朝話をした日本人の他にもう一人の日本人がいた。俺は毎晩、みんなが寝静まってから部屋に戻り、朝は遅く起きるので自分の部屋に誰がいるのかを把握していなかった。

 

 ンターネットが使える時間になったので図書館に行ってみた。メールが届いていたので返事を送った。これがこの旅で最後のメールになるだろう。ロスアンジェルスには特に興味がなかったので、今日は遠出せずにゆっくり過ごすことにした。まず、ビーチに行って海の水に足をつけてしばらく歩いた。なんかすごく懐かしい感じがした。アメリカの海に触れるのは初めてなのに。しばらくそうしていた。その後にレンタルバイク(自転車)を借りてビーチを走ってみることにした。

 

 ンタル屋でパスポートを見せて、クレジットカードをディポジットにしてもらい手続きを済ませた。借りたのは、クルーザーの5スピード。でも実際は7段変速のビーチクルーザーだった。まず、昨日途中まで行ったベニスビーチへ向かった。アメリカのチャリンコは乗りやすい。それに自転車専用の道路と歩道がきちんと分かれてるので、安心して乗れる。全力でビーチを自転車で疾走する人やインラインスケートで気持ちよさそうに滑って行く人たちと何度もすれ違った。みんなもっとゆっくり走ればいいのに・・・。景色でも眺めながら、のんびりと。ベニスビーチの終点は駐車場だった。端まで行っても何もない。ただビーチとピアがあるだけ。

 

 た時と同じ道をサンタモニカへ向かって引き返した。今度はレンタルバイク屋の前を通り過ぎ、サンタモニカ・ピアのトンネルを抜けてサンタモニカビーチの終点を目指した。トンネルを抜けると、もう、本当にビーチしかなかった。自転車専用道路だけが砂浜の中をどこまでも続いている。遠くに岬が見えた。行ける所まで行ってみようと思った。ここまで来ているのは、本気のチャリンコ野郎とインラインスケート命のオネェちゃんばかりだ。インラインスケートが俺を抜き去って行く。疲れたので途中のベンチに座って休んだ。この道はいったいどこまで続くんだろう?

 

 びペダルをこぎだした。あっけない程すぐに終点になった。サンタモニカビーチの終点も駐車場だった。駐車場の端にあるベンチに腰掛けて少し休んだ。遠くにサンタモニカ・ピアが小さく霞んで見える。海はどこまでも青い。帰り道は一気に走り抜けて自転車をレンタル屋に返した。$12。ベニスビーチサンタモニカビーチの両端を見れたので満足だ。今日はくだらないダウンタウンの観光地まで遠出しなくて正解だった。これで今回の俺の旅もほとんど終わりだ。

 

 回の旅は正直言って、出発前は気が乗らなかった。今回は何もないんじゃないか?何も起きないんじゃないか?何の為の旅なんだ?って出発前は悩んでた。でも、旅をしてみたら、いろいろな人たちや風景が、やっぱり俺を待っていてくれた。サンディエゴで会った楽しい旅人たち。メキシコのタコスの屋台。ラパスの市バスで会った船乗りたち。チワワ鉄道で会った日本人の女の子の旅人たち。エルパソではアントニオに再会できた。ツーソンでは、めちゃ楽しいユースの人たち。サンタモニカでは再会した旅人とメジャーリーグも見れた。その他に写真も撮らなかったような何でもない風景とかが浮かんでくる。やっぱり旅に出れば、ちゃんと何かが待っていてくれるのだ。できることなら明日、日本に帰りたくない。このままずっと旅人でいられたらいいのに・・・。また旅に出れるだろうか?その気さえあれば、そう願っていればきっとまた旅に出ることができるはず。今回だって言葉の分らないメキシコでなんとか旅して来たんだから。いつでも、どんな時でもなんとかなるもんだ。そんなに悲観的に生きなくたっていいじゃん。もっと気楽に生きてもいいんじゃないのか?そんな気がする。今回の旅でも『金で買えないモノ』をいっぱい得られたような気がする。想い出を共有できる人たちと出会えて本当によかったと思う。旅はどこに行ったかじゃなくて、誰に出会って何をしたか、の方が大事なんじゃないかと思う。今度の旅で一番印象的だった言葉は『Foolish before Brilliant』だ。「まわりからバカに見られようと自分が信じたことをやりなさい。そうしたらいつか輝く時が来るから」「愚かに見えることもいつかは実を結ぶんだよ」ってツーソンの夜に言われた気がした。


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