アメリカひとり旅日記3

10月2日(火)  サンタモニカ(L.A)  晴れ

 

 朝も向いのベッドのデカい白人はパジャマを着て手袋をして寝ている。彼は昨夜も9時頃に寝ていたのに今朝も9時半になっても起きない。妙な人だ。俺は朝食は、またユースのを利用した。チョコレートクロワッサン、ゆで卵、そしてコーヒーの朝食を済ませるとベニスビーチに向かった。

 

 ンタモニカビーチの海沿いをを左にどんどん歩いて行く。今日は昨日よりも涼しく、寒いくらいだ。しかも、カリフォルニアなのに曇り空。まあ、いいや。ビーチは砂が平らに均されてきれいになっていた。どこまでもビーチは続く。1時間ぐらい歩くと突然、おみやげ屋の町並が現れた。もうベニスビーチだ。ベニスはサンタモニカと違って変わった人が多いような気がする。ビーチ沿いは、アフリカン・アートの店やタトゥー屋や中国マッサージの店が多かった。しばらく歩き続けると噂のマッスル・ビーチに出た。まだ午前中だったのでトレーニングをしているマッチョは2人しかいなかった。さらに進むとテニスコートがあった。10面ぐらいあるコートは全て使われていた。そこで歩くのを一休みした。タバコを吸った。この先まだ進もうと思ったが、3時にコウイチロウ君とダウンタウンのユニオン・ステーションで待ち合わせていたのでユースに戻ることにした。と言うよりも疲れて歩く気がしなかった。

 

 夜はコウイチロウ君とアナハイムのスタジアムまでメジャーリーグの試合を見に行くことになっている。マリナーズvsエンジェルス。俺は別に野球は興味なかったが、ロサンジェルスでやることもないし、ついて行くことにしたのだ。マクドナルドで昼飯を食ってからユースに戻ってしばらく休んだ。午後2時頃、ダウンタウン行きのバス停に向かった。ビッグブルーバスの#10を待つ。なかなか来ない。ユニオンステーションまでかなり時間がかかるので、待ち合わせ時間に間に合うかが心配だった。

 

 ッグブルーバスはフリーウェイを走ったので45分でユニオンステーションに到着。アムトラック専用の駅に入るのは初めてだった。薄暗い駅の通路を抜けると反対側に市バス乗り場があった。タバコを吸っていると下りエスカレーターでコウイチロウ君が現れた。アナハイムまでアムトラックで行くことになった。チケットを買ってアムトラックに乗車。アムトラック初乗車だ。旅の始まりにアムトラックに乗れなかったのが心残りだったが、まさかこんな形で乗るとは思ってもみなかった。これは乗り心地がいい。シートは広いし。これで旅をしたらさぞ楽だろうな。でも、今日は2駅めのアナハイムで降りた。

 

 ナハイム駅の目の前がスタジアムだった。試合開始が午後7時なので2時間も時間がある。コンビニに行ってタバコを仕入れた。そして$8のチケットを買ってスタジアムへ。まさかアメリカの球場に入ることになるとは思ってもみなかった。もう選手たちは練習を始めていた。マリナーズの練習だった。佐々木イチローも間近で見れる。練習中に客席に入ったボールはもらえるので、みんな必死だ。イチローが守っていた所にバッティング練習のボールが飛んできた。イチローはそれをキャッチして観客席へ投げた。なんと、そのボールを俺がキャッチしてしまったのであった。なんとラッキーな・・・。でも、俺の隣にイチローファンのアメリカ人の子どもがいたので、そのボールをあげてしまった。俺は、イチローが投げたボールをキャッチしただけで満足だ。普段は野球なんて見ることもないけど。

 

 の後もバッティング練習のボールは近くまで飛んできた。そうこうしてると午後7時、試合開始。試合前にアメリカ国家斉唱。観客席も全員立ち上がって右手を左胸にあてていっしょに唄う。アメリカ国民でもないのになぜか感動してしまった。結局、今日の試合にはイチロー佐々木も出なかった。わざわざ日本からこの試合の為だけのツアーで来ていた日本人もたくさんいた。高い金を払った彼らはさぞがっかりだろう。俺は試合よりも野次ってる黒人のオヤジの方が面白かった。エンジェルスのヘルメットをかぶってエンジェルスの旗を振ってルのに「イチロー!」とか声援してたりする。7回の表が終って「GOOD BLESS AMERICA」の斉唱があった。テロ事件の犠牲者に対する哀悼の意だ。結局、試合はマリナーズの圧勝だった。帰りのアムトラックの時間が迫っていたので、俺たちは午後10時にスタジアムを後にした。

 

 後11時のユニオンステーションの市バス乗り場に俺たちはいた。これからコウイチロウ君はグレイハウンドのディーポへ、俺はサンタモニカのユースに帰る。ここでお別れだ。それにしてもこんな深夜のダウンタウンで市バスに乗る俺たちはチャレンジャーかも知れない。「地球の歩き方」にも、ロスアンジェルスで深夜の市バスには乗らないように、とある。先にコウイチロウ君が乗るバスがやって来た。サンタモニカ行きのもすぐにやって来た。誰も乗っていなかった。深夜料金の方が昼間より安いのも奇妙だ。2つめのバス停でホームレス風の黒人の若者が乗って来た。俺の後ろに座った。彼は他の客や信号を見ては何かぶつぶつ言っている。かなり不気味だった。ホームレスのオヤジも乗って来たが、バス料金が払えなくて降ろされた。バスの中は心配するほど危険な感じはなかった。乗ってくる人たちは昼間とほとんど変わりはない。でも、初めて市バスに乗る観光客にはちょっと怖いかも?

 

 夜12時、俺はユースに無事についた。今回の旅は、もう実質あと1日しかない。明日は何をしようか?


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