アメリカひとり旅日記3

9月11日(火)  ティファナ〜ラパス  晴れ

 

 日の午後6時からバスは走り続けていた。高くそびえ立つサボテン。石ころだらけの砂漠地帯。途中の休憩で立ち寄るトイレはやっぱり汚かった。トイレットペーパーを持ったオヤジが立っていて金を払わないと中に入れない所もある。24時間のバスの旅で食ったものと言えば、昨日サンディエゴのユースで仕入れたスニッカーズ、クラッカーとウエハースのみ。トイレ代をケチるのに水もほとんど飲んでいない。サンディエゴで会ったみんなは今頃どうしてるんだろう?バスの中もスペイン語が分らないので会話ができない。

 

 とうとしながら外の景色を眺めていたら、いつの間にかカリフォルニア半島南端のラパスに到着。午後6時過ぎ。こんな長い時間バスに乗っていたのは初めてだった。バスターミナルは小さかった。セントロ(ダウンタウン)までどうやって行ったらいいんだろう?情報によると2キロ先らしいが・・・。途方に暮れていると、同じバスに乗ってきたメキシコ人の若者がスペイン語で俺にセントロのことを聞いているようなので「地球の歩き方」を見せてあげた。が、よく分かってないらしかった。とりあえず通りを渡った。ここでもタクシーの客引き合戦。もう、うんざりだ。セントロまでの料金を聞いてみた。40ペソ。う〜ん、高い!バカにしやがって!俺の荷物を積み込もうとするドライバーを断わって歩くことにした。屋台のオジサンに「セントロまで歩いて行くから道を教えて」とジェスチャーで聞いてみた。スペイン語でなんか言ってる。よく分らなかったが、2ブロック先を右にまがってまっすぐ歩け、って言っているような気がした。

 

 つもは3ウェイバッグをキャスターで転がしているのだが、メキシコの道では役に立たなかった。歩道の段差は50センチぐらいある。しかも歩道は鋪装されてない所が多い。バックパックに形態を変えて背中にしょいヒップバックを前に回して歩いた。昨日からまともな物を食っていなかったので、歩くのがけっこう辛い。途中、セントロの方向を確認するのに前を歩いているセリョリータに「エクスキューズミー!」と声をかけてみたけど気づいてくれなかった。スペイン語で「オイガー!」って呼んだら気づいてくれた。道はあっていた。これからどのぐらい歩きゃいいんだ?と思って地図を見てみると、もうほとんどセントロに来ていたのであった。タクシーに乗らなくてよかった。

 

 の宿ペンション・カリフォルニアに行ってみた。試しに1泊してみることにした。フロントのセリョリータに英語で話しかけてみたら通じたような気がした。が、返ってくる返事はスペイン語だった。120ペソ。安い。日本円で¥1500ぐらいか?部屋は南京錠で鍵をかけるようになっていた。なんか物置小屋のドアみたいだ。噂ではこの宿のトイレには便座がないことになっていた。が、幸運なことに俺の部屋には便座があった。(バスの中のトイレには便座がなかったけど、ウンコした形跡が・・・。どうやってしたんだろ?)この部屋のシャワーと洗面台と便器は横一直線に並んでいる。バスタブなどない。床も何も敷かれていない。海の家状態だ。しかも、シャワーはお湯が出ない。もちろんエアコンなんてない。天井でファンが回ってる。でも、空気が乾燥してるから問題なし。本当にメヒコに来てしまったのだ。

 

 宿を出て海まですぐだった。ちょうど夕日が沈むところだった。なんだかきれいだった。昨日からまともな物を食っていなかったので「スシエクスプレス」と言うシャパニーズレストランへ行ってみた。スパニッシュ系の人達が働いていた。ヤキメシとミソスープをオーダー。でも、味はメキシカン。ミソスープは具がやたら入っていて量も多かった。飲み物もたのんで60ペソなら、まあまあかな?

 

 ころで気掛かりなことは、俺はペソをあまり持っていないことだ。このままだと途中で身動きができなくなってしまいそうだ。なんとかしなきゃ。宿の中庭でタバコを吸っているとフィリピンから来たオヤジが英語で話しかけてきた。ニューヨークのビルに飛行機が突っ込んだらしい。テレビを見てみると大変なことになっていた。


前の日へ

   

次の日へ

日記の目次へ

他の旅も見てみる

HOME