アメリカひとり旅日記3

9月10日(月)  サンディエゴ〜ティファナ  晴れ

 

 

 日からいよいよメキシコへ向けての俺にとっては冒険の旅が始まる。昨夜もダイ君とヤス君とユミコさんと3時までビールを飲みながら話していたわりには目覚ましもなく起きれた。朝食を済ませてコモンルームにいるとヤス君もやって来た。ダイ君もユミコさんも10時半になっても起きて来ないのでユミコさんにはメッセージを残した。ケニアから来たドロシーとイボン姉妹はダイ君が作る夕飯をごちそうになる約束をしていたらしかったが、用ができたのでキャンセルするので伝えて欲しいと俺に言ってきた。それはヤス君に伝えてもらうことにした。ダイ君の部屋に行き無理矢理彼を起こして別れの挨拶をした。

 

 ェックアウトをし、ヤス君とはユースの外で挨拶をして別れた。俺はCストリートまで歩いて行き、ブルーラインのトロリーに乗りティファナに向かった。途中、検札があり不正入国のメキシコ人が捕まっていた。国境の街サンイシドロのマクドナルドで昼飯。今回の旅でマックは意外にも初めてだった。その中にあった銀行でドルをペソに両替えしようと思ったが、俺のトラベラーズチェックはそこでは使えなかった。しょうがないので、外の両替所に行った。初めは$400をペソに替えようと思っていたが、トラベラーズチェックの照会にやたら時間がかかったので$100だけ両替えした。メキシコに入ってからでも簡単に両替ができると思ったし。だが、これが間違いだった。

 

 の間のように国境の回転扉をくぐってメキシコに入国ツーリストカードにスタンプをもらうため、「地球の歩き方」に書いてある通りのイミグレーションに行ったが、そこは違っていた。もっと先だった。この前ティファナに来た時には気づかなかったが、噂の機械がそこにはあった。自分でボタンを押して青ならばセーフ、赤なら荷物を調べられる機械だ。ロシアンルーレットみたいなもんだ。いざ俺が押してみたらみごと青。で、愛想のない入国審査官のところに行くと、ツーリストカードにスタンプを押すのに$20必要だから外の銀行で払ってくるように言われた。そんな話は聞いていなかったので面食らった。銀行で$20払おうとすると、さらに50セント払えと言う。なんかイヤな感じ。騙されてんのか、俺?

 

 りあえずツーリストカードにスタンプを押してもらいティファナの街へ。不思議なことに今回は一度もおみやげ屋の客引きに声をかけられなかった。サングラスをしていたからか、でかい荷物を持っていたからか、日本人に見えなかったかのいずれかだろう。街角にセントラル・カミオネラ(中央バスターミナル)行の市バスがちょうど停まっていたのですぐに乗り込んだ。料金はスペイン語が分らなかったのでポケットからペソコインを出して適当に取ってもらった。バスのフロントガラスには白いペンキの汚い文字で行く先が書いてある。最後にギターを持ったセニョールが乗り込んできてバスは走り出した。観光客は誰も乗っていなかった。みんなこのあたりに住んでる人達だった。が、さっきのギターを持ったセニョールがいきなり弾き語りを始めた。その歌声を聞きながら流れ行く街の風景を見ていたら、なぜか涙がこぼれそうになった。これがリアルなメキシコなのだ。

 

 のバスが本当にバスターミナルに行くのか不安になり、隣に座ってるセリョリータに尋ねてみた。英語じゃやっぱりダメだった。地図を広げて指差ししたらなんとかなった。前の席で見ていたセニョールは英語が話せるらしく助けてくれた。窓の外には観光地じゃないメキシコの風景が流れて行く。40分ぐらいでバスステーションに到着。看板はやっぱり全部スペイン語だった。ラパスまでのチケットをどこで買ったらいいのかも分らなかった。なんとかABC社のカウンターを見つけたが、ラパス行きのバスは午後6時までなかった。840ペソ。クレジットカード不可。トラベラーズチェック不可。やっぱりもっと両替えしておくべきだった。これから先、両替できる所があるのか不安だ。これじゃバスのチケットも買えない。しょうがないんで、ターミナル内の両替所に行ってみたが、トラベラーズチェックじゃ受付けてくれない。サイフに残っていたドル札をなんとか掻き集めて両替えしたらなんとかバス料金分になった。もうドルの現金はない。ペソの現金も850ペソ。これから先トラベラーズチェックがペソに現金化できないとまずいことになりそうだ。でも、まあなんとかなるだろ。

 

 発前に何か食べておこうと思ったが、スペイン語が分らなかったので菓子パンを買っただけだった。トイレに行ってみると2ペソ払わないと入れないようになっていた。中の小便器はタレ流し式。一瞬、手を洗う流しかと思ってしまう。これぞメキシコ。が、ここに手をついたらとんでもないことになる。

 

 ス乗り場まで出るのに空港のような手荷物検査やらボディーチェックがある。メキシコはいい加減なのか、きっちりしてるのか、よくわからん。グレハンだって手荷物検査しないよ。荷物をバスの貨物室に預けるのが不安だったが、意外にもクレームタグがもらえて一安心。


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