アメリカひとり旅日記3

9月8日(土)  サンディエゴ  晴れ

 

 夜は深夜のコモンルームでミシガン州から来たロンと知り合いになった。彼は昨夜自分の部屋のベッドに行ってみると誰かが寝ていて閉め出され、ソファーで寝るハメになったのだった。でもって、今日はみんなでラホヤへ遊びに行くことになっていたのでロンもいっしょに行くことになった。メンバーはアキヒト君、ヤス君、ユミコさん、ミネコさん、ロンそして俺の6人。ケンジロウ君はロスアンジェルスに発ってしまった。ロンはオヤジだと思っていたら29歳でちょっと意外だった。

 

 前10時、ノートパソコンをいじっていて出発準備が遅いロンを待ってラホヤに出発。なんか行き方がハッキリしなかったが、ロンがバスの番号や降りる場所などをまわりの人達に聞いてくれたので助かった。バスの中でロンは「神様が見たいか?」と言うといきなり手すりに両腕を伸ばしてつかまり、ダラ〜っとしてキリスト像の真似をしてみせた。舌までだしてメッチャ変な顔を作っている。これには爆笑してしまった。その他にも言葉が分らなくても笑えるギャグのオンパレードだった。本当にサービス精神が旺盛のロン。

 

 時間あまりバスに乗ってラホヤに到着。すごくきれいな街だった。海はどこまでも青く、ヤシの木は高い。日本では見ることのできない風景だった。昼飯はレストランのサンドウイッチをテイクアウトして芝生に座ってみんなで食べた。誰かがパンクズをカモメに与えたらやたら多くのカモメにかこまれてしまった。鳴き声をあげてさらに仲間を呼んでいるらしく、落ち着いて食っていられなかった。が、ロンは楽しそうだった。1時間ぐらいビーチを散策した。岩場が多い。魚を捕まえようとしている少年やら、砂浜で泳ぐ人達なんかもいた。その後、帰りのバスに乗りサンディエゴに戻った。

 キヒト君、ヤス君、ユミコさんと俺は今夜は「ストリート・シーン」をどうしても見たくなって、チケットを早めに手に入れようとしていた。が、ロンがバスを降りた後に俺達に「寿司をくわせてやる。」言い半ば強制的にホートンプラザのファーストフードの寿司屋に連れて行ってくれた。そこで鉄火巻をごちそうになってしまった。そこで、ロンとミネコさんと別れて俺達4人はユースで少し休んでからチケットを買いに行った。しかし、そこで問題発生。アキヒト君とヤス君は20歳。このイベントは21歳以上じゃないと入場できないのであった。パスポートのコピーを偽造しようか、とか誰かのパスポートを借りようとかの案は出たもののいいアイデアが出なかった。2人は残念ながら断念。けっきょく、俺とユミコさんが先に入って再入場券をどこかで拾って、入れなかった2人に渡そうと思ったが、それもできなかった。会場の中はたくさんの人で異常な盛り上がりを見せていた。通りを歩いているとユースに泊っているダイ君に会った。(彼は昨日、キッチンで俺達にオリジナルの炊き込みご飯をごちそうしてくれていた。レンタカーで放浪の旅をしていたらしいが、今は車はなかった。)

 

 達3人は会場の中でそれぞれ別行動にした。屋台でビールを買って飲みながら適当に会場を見て回った。ジミ・ヘンドリックス トリビュートを見た後、入場できなかった2人がどうしているか気になって、ユースに一旦戻ってみた。21歳未満の彼らはアルコールを買うこともできないので、俺が近くのスーパーでビールを買ってきてあげた。が、ユースの入口でチェックが入って取り上げられてしまった。何か上手く持ち込める方法がないかと考えたら思いついた。アキヒト君とヤス君に空のバックを持って外に行ってもらい、俺がしばらくしてからフロントで取り上げられたビールを外で飲むことにして持ち出し彼らに渡してユースに持ち込むのだ。まんまと成功。ただし、フロントの黒人ねぇちゃんにせがまれ1本あげてしまった。彼女はどこで飲むんだろ?俺はそのままライブに戻った。

 

 夜のトリはジェームス・ブラウンだった。いざ会場に行ってみると、とんでもなく混雑していた。通勤電車なみ。本当に身動きができない状態だった。J.Bの姿は遠くにちらっと一瞬見えただけだった。残り時間30分はあったが、ユースに戻った。今の時間なら俺の左手に巻いてある再入場券を使って、入場できなかった2人が入れると思ったからだ。でも、2人とも遠慮してたので、ロンに再入場券を渡したら喜んで出かけて行った。入場できなかったアキヒト君とヤス君としばらくコモンルームで話しているとロンもユミコさんとダイ君も戻ってきた。ミネコさんも輪に加わった。いつの間にかロジャーとロンのアメリカ人お得意のディベートが始まってしまった。日本人の俺達はポカンとして聞いているだけ。そして今夜も朝の4時まで話し込んでいた。毎晩ビールを飲んで部屋に戻るから体がきつい。俺が寝る頃は同じ部屋のみんなは寝てるし、俺が起き出す頃にはみんな出かけてしまってるので、ルームメイトに挨拶もしていないのであった。しかも今夜は、誰かが部屋の内側からロックしてしまい鍵を使ってもドアを開けることができなかった。しょうがないんで、またコモンルームに戻ってソファーで寝た。なぜかロンもソファーで寝ていた。しかし、ここのユースでは部屋に関してついていない事が多い。出会った仲間はみんないい奴ばかりなのに。ロンは早朝にミシガンに発ってしまった。ミシガン州に来ることがあったら連絡してくれ、とメッセージを残して。


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