アメリカひとり旅日記3

9月7日(金) サンディエゴ  晴れ

 

 前7時、隣のベッドに気を使いながら起床。今日は昨日知り合った仲間と国境を越えてメキシコのティファナまでいっしょに遊びに行くことになっていた。ルームメイトたちを起こさないように、部屋のシャワーを浴びずに外のシャワーを使った。とりあえず朝の一服にユースの外に行こうとエレベーターのボタンを押したが、反応がない。しかたがないので、階段で下まで降り、裏口のドアから外に出て一服。裏口のドアは外からは開けられないようになっている。正面に回って上の階にゆける唯一の手段のエレベーターに乗ろうと思ったが、ロックがかかっていて動かなかった。フロントには誰もいなく、チェックインとチェックアウトをまっている宿泊客であふれかえっていた。俺も部屋に戻れずに1時間以上も締出しをくっていた。こんなスタッフの対応だったら、日本じゃ暴動もんだ。それに、俺は今日は午前9時半にはティファナに行くメンバーと待ち合わせしてる。9時までにキッチンに行かないと無料の朝食も食いっぱぐれちまう。裏口の回って誰かが出て来るのを待った。運良く人が出てきたのでドアが閉まる前になんとかユースの中に潜り込んだ。

 

 りあえず飯だ。3階のキッチンへ行くとマフィンがあったので2個取ろうとしたら、ユースのおねぇちゃんに怒られた。たしかに、「一人、1個」って書いてあった。でも、コーヒーとマフィンとリンゴの朝食を食っていると、さっき怒ったおねぇちゃんが「内緒ね」と言ってマフィンをもう1個持ってきてくれたのがうれしかった。

 

 時半ギリギリにティファナへ行くメンバーと待ち合わせの約束をしていたフロントへ行ってしばらく待ったが、誰もいなかった。俺が飯を食っている間にみんな出発してしまったのかもしれない。まぁ、ティファナを歩いていれば会うだろうと思って、5th アベニューのサンディエゴトロリー乗り場に向かった。トロリーを待っていたら、約束していたケンジロウ君、アキヒト君、ヤス君と偶然会った。3人とも銀行にトラベラーズチェックの両替に行ってかなり待たされたらしかった。で、ユースの待ち合わせ場所に時間までに戻れなかったらしい。

 

 りあえず、トロリーに乗ってみんなでティファナへ向かった。トロリーに乗る前にアキヒト君がチケットを買おうとしていると、太った白人のおばちゃんがおせっかいを始めた。俺達が自販機でのチケットの買い方を知らないと思ったらしい。アキヒト君はパスが欲しかったのでその通り操作してるのにおばちゃんがちょっかいを出して片道のチケットのボタンを押そうとしていた。何回かパスが欲しいと説明したのおかまいなし。いい加減疲れたのでおばちゃんが言うように片道チケットを買ってしまった。パスを買った方が安いのに・・・。

 

 ロリーが国境に近づくにつれてだんだんそれらしい人達が乗ってきた。終点のサンイシドロで下車。長い陸橋を越えると回転扉があり、そこをくぐるとティファナだった。エルパソからファレスのように国境の川を渡ることもなく、25セントを払う必要もなく、あっさりした国境越えだった。ただタクシーの客引きだけはファレスと同じようにうるさかった。道路もデコボコだった。それにしてもティファナのおみやげやの客引きはすごすぎ。日本人と見るやいなや、「チ◯コ、マ◯コ、いらしゃい!」。なんのこっちゃ。みんなその言葉に反応して笑ってしまう。反応しなけりゃ日本人って分らないかもしれないのに。噂の「ハラキリプライス!」も本物が聞けてちょっと感動。呼び込みも最初のうちは面白くて笑っていられるが、だんだん鬱陶しくなってくる。

 

 ボルシオン通りとかを一通り歩いた後、昼飯にしようと言うことになった。ちょっと裏通りまで行って観光客があまり来なそうな屋台に入ってみた。屋台のメキシコ人のおっちゃんは英語も話せるので仲良くなった。「パセレ!パセレ!」って通りに向かって言っていたので意味を尋ねてみたらスペイン語で「いらっしゃい!」だと教えてくれた。タコスとかドリトスとかたのんだ。ジャマイカンという果物から作ったジュースがガラスの壺に入っていたので、試しに飲んでみた。初めはまずかったが、タコスを食った後に飲むと不思議と旨かった。ただ、メキシコの水と氷は危険と聞いていたので、飲み干さなかったけど。けっこう腹一杯食って4人で$14。

 

 の後は4人とも別行動で1時間後に待ち合わせることにした。俺は別に買い物をする気もなかったのでアキヒト君の買い物につき合っていた。アキヒト君もケンジロウ君もシルバーの値引き交渉に成功したらしく満足そうだった。1時間後に4人が揃ったのでレボルシオン通りをどんどん奥まで有名らしい建物の芝生に座って休んだ。そして、国境に戻る前に地元の人が買うスーパーでスパゲッティ−の材料を買い込み今夜は4人で自炊することにした。

 

 ースには午後6時頃戻った。その後、俺にはもう一騒動待っていた。また部屋を移動しなければならなくなった。今度は俺の部屋に日本人お女の子2人がチェックインしてきたのであった。で、フロントで新しいキーをもらったのだが、これがまた例の208号室。またもやドアの鍵が開けられなかった。またもやフロントに引き返して、今日作ってきたばかりであろう新しいキーに変えてもらったらやっとドアが開いた。

 

 人で夕飯を作っていると、ケニアから来た姉妹のドロシーとイボンがいたのであいさつをした。今日のサンディエゴは「ストリート・シーン」という音楽祭みたいなのをやっている。ユースの裏の道路を封鎖してライブ会場をいくつも作ってあった。有名ミュージシャンもたくさん来ている。その音が聞こえてくる。なにしろここの真裏が会場なのだ。人通りもやたら多い。ユースも満室になっていた。1日チェックインが遅かったらここには泊れなかっただろう。みんなライブを見たがったが、おれたちには金がない。なにせ一晩$40のライブだ。とりあえず、またもやビールの買い出しに行ってコモンルームで隠れて飲んで遅くまで話していた。おととい会った、留学先を探しにサンディエゴに来たユミコさんとか2人旅の大学生のアユミさんとキエさんも加わって楽しかった。その後は、タバコを吸いがてらユースの前で祭りで盛り上がる通りを眺めていた。今回の旅は序盤から盛り上がってしまった。一人旅の仲間が集まって話をするのも何かの縁。日常では味わえない、金で買えない楽しいひととき。


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