『ソフトウェア技術者のための人事考課』 紹介記事

潟Aドホクラット

1. 製造業分野の技術者とはやや異なるソフトウェア技術者(とくにシステムエンジニア=SE)の評価、人事考課のあり方が問われていました。
 この問題は、現在も同様だと言えます。いやむしろ、新たな以下の点の発生で再浮上していると思われます。

 (1) 景気低迷、グローバリズムの進展によって、本格的な「実力主義」が到来!

 (2) 若年世代の就業意識の決定的変化

 (3) ソフトウェア技術要素の飛躍的な分化、多様化

2. SEという高付加価値創造を担うソフトウェア・エンジニアの職務プロセスの解明は、創造性という難問が関係しているだけに、相変わらず職人技といったブラックボックスに追い込まれていると言えないでしょうか。

 この10年の推移で、担い手の外部には、きらびやかに展開するソフトウェア・ツール群の登場(そのほとんどが海外パテント!)があったのに対して、担い手内部の高付加価値創造の知的装置は質的変化を遂げたのでしょうか?課題は積み残されたままなのかもしれません。

3.とにかく安直な発想と決別すべきではないでしょうか?「IT革命」などというアドバルーンを揚げるなら・・・。まず、巷に溢れるソフト新技能のパッチワーク的教育を教育だと見なさず(この水準は、ユーザサイドの単なるリテラシー!)、自分の頭脳でシステムを構築してゆくプロの技術者育成をこそ展望すべきだと思われます。

 「基礎研究のないところに飛躍的成果なし!」という観点に立ち、真に創造的なソフトウェア技術者を育成すべく、基礎能力の向上にいま一度立ち返る必要があると思われてなりません。

 ことソフトウェアの教育方法では、いま一度米国へのキャッチアップを試みるべきなのでしょうか。